大腸内視鏡検査(大腸カメラ検査)

「日本人で一番多いがん」を減らすために当院が目指すこと

2023年の年間大腸がん死亡数は5万人を超え,女性では大腸がん死亡数が第1位、男性では肺がんに次いで第2位で、大腸がんは「日本人で一番多いがん」です。大腸がんの検診には、「便潜血検査」による大腸がん検診が広く行われていますが、それでも大腸癌で亡くなる方が増え続けている事実は、便潜血検査の限界を示しています。さらに便潜血検査は2回法から1回法に変更になる予定で、さらに検便だけでは見つけにくい癌になってしまいます。一方で、大腸がんは早期に発見できれば治癒する病気ですし、がん化する前の良性ポリープのうちに内視鏡切除するのが理想です。これまで大腸に何の症状もなかったという方も50歳を迎える頃には、一度大腸カメラ検査による検査をし、以降は定期的に行われることがとても有益ですが、一方で、大腸カメラ検査に対する不安、恐怖から検査を受けることを躊躇してしまう方が多いことが事実です。

当院では、『「日本人で一番多いがん」である大腸がんにかかる患者様を何とか減らしたい』という強い使命感を持っております。そのために、当院では、『質の高い検査』と、『患者様が安心して検査を受けていただける環境』の両方を提供できるように最大限の努力をしております。

大腸カメラ検査とは?大腸カメラ検査で発見できる主な病気

大腸カメラ検査(下部消化管内視鏡)は肛門から内視鏡を挿入し、小さなカメラで直腸から盲腸までの炎症、ポリープやがん、潰瘍などの病変を調べるのに使われる検査機器です。
肛門から内視鏡を挿入していくことで、小腸の一部、大腸の内壁の様子を確認することができます。同検査によって、大腸内の病変(炎症、ポリープ、腫瘍 等)が見つけられるようになるほか、疑わしい組織があれば鉗子を使って一部を採取し、それを顕微鏡で調べる病理検査(生検)をすることも可能です。またポリープを発見した場合、その場で切除することも可能です。

  • 大腸がん
  • 大腸粘膜下腫瘍
  • 大腸憩室
  • 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)
  • 大腸ポリープ
  • 感染性腸炎 など

大腸内視鏡による検査を受けた方が良いとされる方

  • 便潜血検査で陽性の判定を受けた方
  • 一度でも便に血が混じっていたことがある方
  • 便通異常(下痢、便秘、残便感、便が細い など)がみられる
  • しこりを腹部に感じている
  • 家族あるいは親戚が大腸がんに罹患している
  • 40歳を過ぎて、これまで一度も大腸内視鏡を受けたことがない など

当院の大腸カメラ検査の特長

特長1. 研鑽を積んだ医師による検査と精度の高い診断

研鑽を積んだ医師による検査
特長1. 研鑽を積んだ医師による検査と精度の高い診断

病院やクリニックによっては、外来担当医と検査担当医が違ったり、どの医師が担当になるかわからず、内視鏡担当医によって技量や対応に差がでることが実態です。当院で行うすべての内視鏡検査は、高度医療機関で内視鏡検査や治療の研鑽を積んできた医師がおこないます。当院長は下部(大腸)13,000例の検査を行ってきており、高い技術力と豊富な知識を生かした、質の高い検査を提供してまいります。

当院の腺腫発見率(ADR)は62.4%

大腸内視鏡検査における医療の質(quality indicator)の指標には、腺腫発見率(adenoma detection rate:ADR)が有用で、ADRが高いことは大腸がん死亡率減少に寄与するとされます。自覚症状のない中間危険度群における推奨ADRは男性30以上、女性20以上ですが、当院の開院からのADRは62%と高い成績を得ています。この高いADRは最新の内視鏡機器を用いて安全かつ正確な大腸内視鏡検査を行なっていることが主な要因と考えます。大腸がんの前がん病変である腺腫性病変を確実に見つけ、ポリープ切除を行うことはとても有益です。


特長2. 苦しみの少ない大腸カメラ検査

当院の内視鏡検査のモットーは『質が高く、苦痛の少ない検査を提供し、できるだけ多くの患者様に内視鏡検査をうけていただき、がんを減らす』ことです。検査にあたっては、患者様のご希望をよくお聞きし、ご希望される場合は鎮静剤、鎮痛剤を用いてウトウト眠っているような状態でできるだけ苦痛の少ない状態で検査を受けていただきます。過去に大腸カメラ検査で苦しい思いをされた経験のある方は、お気軽に当院までご相談ください。
また、挿入時は、大腸内視鏡から空気を入れて観察しやすくしますが、お腹が張ってしまい苦しい思いをすることも少なくありません。そのため、当院では挿入時は空気の代わりに体内に吸収されやすい炭酸ガスを送気することで、で苦痛を最小限に軽減させる配慮をしております。

特長3. 完全個室での院内下剤内服に対応

下部消化管内視鏡検査にあたっては、事前に下剤を飲んでいただき腸の中をきれいにする準備が必要です。検査当日の朝にご自宅で下剤を飲んで腸内をきれいにしていただき、便意が落ち着いてからご来院いただけます。
自宅で下剤を飲むことが不安な方、遠方からの来院の方、下剤を飲んだ後の体調変化が不安な方などは来院してから下剤を飲むことも可能です。スタッフが洗浄具合を確認しますので初めての検査でも安心です。一般的な内視鏡クリニックでは複数名でトイレを共有することが多いですが、当院は専用トイレ付きの完全個室スペースを2部屋用意しております。個室Aは2~3名まで入ることができるため、ご夫婦でそろって検査することも可能です。できるだけリラックスして検査ができるように最大限配慮しており、安心してお待ちいただけます。

検査用の下剤は「味」を含めて以前よりもだいぶ改良されておりますが、『下剤を飲むのが大変』と敬遠される患者様も多く、検査から遠ざかってしまう原因にもなっています。「下剤を飲まない内視鏡検査」などと謳っているクリニックなどもありますが、大腸の中に便が残ってしまい、病変の見落としにつながりかねずお勧めしていません。
当院では、どうしても液体の味が苦手な方は、通常の下剤の他に錠剤の下剤も用意しております。検問診時に不安やご希望をよくお聞きし、患者様のご希望にできるだけ沿う形で検査の準備をさせていただきます。

  • 完全個室での院内下剤内服に対応
  • 完全個室での院内下剤内服に対応
  • 完全個室での院内下剤内服に対応

特長4. 次世代型内視鏡システムを導入

特長4. 次世代型内視鏡システムを導入

当院で導入しているOLYMPUS EVIS-X1 CV1500はNBIという特殊光を駆使した観察、拡大、血管や炎症などを強調する画像処理、観察範囲を広げられるワイドアングルなどにより、わずかな病変を短時間のうちに発見でき、精度の高い検査・処置が可能です。

特長5.検査中に大腸ポリープ切除も行います。

大腸がんは通常前がん病変の大腸ポリープが大きくなりがん化したものです。このようなポリープを小さいうちの切除することは、将来の大腸がん予防になりますし、小さいうちに切除することは出血等の合併症予防の観点からも有益です。当院では大腸カメラ検査中に発見した小~中サイズの大腸ポリープをその場で切除する日帰り手術を行っています。検査中での施術となりますので、入院の必要がなく、その日のうちにご帰宅が可能です。
なお、大きいサイズのポリープについては、対応が可能な病院をご紹介させていただきます。当院は、慶應義塾大学病院や内視鏡治療で定評のある都立駒込病院など多くの医療機関と連携していますので患者様のご希望に沿った対応が可能です。

特長6.胃カメラと大腸カメラ検査の同日検査も可能です。

当院では、胃カメラ・大腸カメラ検査を同時に受けられる同日検査も行っており、患者様からご好評をいただいております。具体的には、下剤を飲んで大腸検査の準備をしていただき、胃カメラからスタートいたします。内視鏡室は、胃カメラと大腸カメラ検査を同時に行えるように十分な広さを確保しておりますので、胃カメラ終了後、ベッドに寝たまま検査室内でベッドを回転させ、大腸カメラ検査を始めます。鎮静剤を使って検査をすれば、眠っているうちに胃カメラ→大腸カメラ検査が終了してしまいます。検査回数を減らすことや、前日の食事制限も一回で済むため、身体の負担の軽減につながります。

特長7.検査後は広いリカバリースペースでゆっくりお休みいただきます

特長7.検査後は広いリカバリースペースでゆっくりお休みいただきます

検査後はプライバシーを確保しながらゆっくりお休みいただけるリカバリースペースをご用意しております。鎮静剤を使用した検査の後、内視鏡検査が終わると、ふらふらしている状態で歩かせるクリニックも多く、とても危険です。当院では検査室からベッドに横になったままの状態でリカバリースペースに移動し、鎮静剤の効果が切れるまでゆっくりお休みしていただきます。このように、検査前後も身体への負担を少なくなるよう最大限の配慮を行っております。

特長8.検査ごとに機器の徹底的な洗浄・消毒

特長8.検査ごとに機器の徹底的な洗浄・消毒

当院は内視鏡スコープや処置具は、内視鏡学会が定めたガイドラインを遵守し、徹底的な洗浄と滅菌を行って、検査ごとに洗浄・滅菌済のものをご用意しています。洗浄・消毒を徹底することで、患者様に安心して検査を受診していただけるよう環境を整えております。

大腸カメラ検査の流れ

  • 01 事前診察

    基本的に、患者様には検査前に一度受診していただき、大腸内視鏡検査を受けるにあたっての注意点を説明し、前日および当日の下剤をお渡しします。事前診察は、対面でもオンライン診療でも可能ですので、多忙な方にも負担がないように検査当日まで来院は不要です。
    当院では、基礎疾患の有無を確認させていだければ、事前に採血などは不要としています。感染症検査をするクリニックもありますが、当院では内視鏡学会が定めたガイドラインを遵守し、徹底的な洗浄と滅菌を行って、検査ごとに洗浄・滅菌済のものをご用意していますので、感染症検査は不要です。前日の検査食は販売しておりますが、前日の注意点にご留意いただければ検査食は必須ではありませんので出費は避けられます。

  • 検査前日

    前日は、21時以降はお食事をとらないようにしてください。水分については、お茶や水であれば、制限はありません。
    夕食後に医師が指定した下剤を服用していただきます。

  • 検査当日

    朝から絶食し、大腸内視鏡検査が始まる2~3時間前から、時間をかけてコップ一杯程度の腸管洗浄液(下剤)をゆっくりと飲んでいきます(10分程度)。その後、排便を繰り返すようになるわけですが、便の色が透明になると腸の中がきれいになった証でもあるので、検査開始となります。

    ※当院の個室で処置をご希望の方は、検査の2~3時間前にご来院ください。

  • 鎮静剤を使用(希望者)

    検査衣に着替え、検査台で横になります。内視鏡を挿入する前に鎮静剤、鎮痛剤を投与し、リラックス状態で検査を受けられるようにします。

  • 検査開始

    うとうとした状態になったところで、内視鏡を肛門から挿入していきます。

  • 大腸内を観察

    大腸内視鏡を医師がハンドリングし、大腸内腔を観察します。その際にがんなどが疑われる組織を一部採取(生検)や、発見したポリープの切除を行うこともあります。

  • 検査終了

    観察だけなら15~30分程度で終了です。検査終了後は、鎮静剤、鎮痛剤を投与しているので1時間程度はリカバリースペースにて休憩をしていただきます。

  • 08 結果説明

    検査をした医師が画像をお見せしながら結果を丁寧にお伝えし、写真付きの検査レポートをお渡しします。ポリープ切除などで組織採取をした場合、病理検査の結果説明を後日行います。対面でもオンライン診療でも可能です。検査後の飲食は1時間後から可能です。最初は少量の水を口に含んで慎重に飲み、むせずに問題なく飲み込めるかを確かめてください。なお、当日は激しい運動を控えましょう。

検査費用(すべて保険診療の範囲内で行います)

1割負担 3割負担
大腸カメラ検査
のみ
約1,900円 約5,500円
大腸カメラ検査+
ポリープ切除
約9,000円 約27,000円

当院採用の検査用下剤(洗浄剤)について

大腸カメラ検査(下部消化管内視鏡)の前には、腸の中をきれいにするための腸管洗浄液(下剤)を服用していただく必要があります。腸内に便が残っていると正確な観察ができず、ポリープや早期がん見落としにつながるため、前処置は検査の精度に直結する重要なステップです。

文京メディカルクリニックでは、腸管洗浄液として『モビプレップ』を第一選択として使用しています。その他、患者様の希望に合わせて以下の洗浄剤に対応しています。

下剤の種類 飲む量 味 洗浄力 備考
モビプレップ(標準) 1~1.5L
+水0.5~1.0L
少し塩味の強いスポーツドリンク。梅味という方もいる ◎ コップ1杯の下剤を10分おきに2回、その後コップ一杯の水を一回。それをきれいになるまで繰り返す。
ビジクリア 50錠
+水1.5~2L
〇 錠剤を5錠ずつ内服する。腎機能障害を有する方は注意
サルプレップ 480〜960ml(1〜2本)
+水その倍量(1〜2L)
レモン系の風味。濃度が濃いと感じる方もいる。 ◎ 480ml入りのペットボトル製剤。前日と当日に1本ずつ内服することも可能。腎機能障害のある方は禁忌のため、あらかじめ検診結果確認または採血をお願いすることがあります。
マグコロールP 1.8L スポーツドリンク 〇~△ 一番飲みやすい味と言われています。
ニフレック 2.0L 〇 腎機能が悪い方用に使用しています

※下剤や水分量は基準量(おおよその目安)で、飲む量には個人差があります
※ピコプレップは現在、生産中止しているため使用できません。
※当院では『下剤を飲まない大腸カメラ検査』はリスクを考慮し基本的に行っていません。詳しくはよくある質問をご参照ください。

鎮静剤、鎮痛剤について

大腸カメラ検査において鎮静(セデーション)は、患者様の不安や痛みの軽減、満足度のアップに役立ちます。また、診断の質の向上、治療の目的達成のためにも有益とされています。

当院では、日本消化器内視鏡学会の「内視鏡診療における鎮静に関するガイドライン」に基づいて、鎮静を希望される患者様に個々に適した鎮静剤を使用しています。クリニック、病院によっては、検査数を増やしたい、十分なリカバリースペースが確保できないから早く患者を目覚めさせたいなどの理由を優先させて鎮静剤の種類を決めている場合もあります。患者様も、検査をうけるクリニック、病院がどのような鎮静を行うか、安全性は確保できているかなど、事前に医師に質問することをお勧めします。

鎮静とは?鎮静と麻酔の違いは?

よく患者様に「全身麻酔で検査希望です」と言われますが、正確には「鎮静(セデーション)」であり「麻酔」ではありません。「鎮静」と「麻酔」の大きな違いは、麻酔は「深い鎮静、鎮痛、筋弛緩が起こるため厳密な呼吸管理が必要」です。鎮静が過度になり、麻酔状態になった場合、気管挿管を含めた救急対応が必要になります。

したがって当院では、①過度な鎮静や麻酔状態に陥らない薬剤の種類や投与量を選択し、②呼吸異常や血圧低下といった副作用を監視するため血圧や酸素状態をモニターしながら検査を行い、③万が一そのような状況になった場合しっかり対応できる、内視鏡検査体制を整えています。

内視鏡で使用される鎮静剤、鎮痛剤について

Ⅰ.催眠鎮静薬(ベンゾジアゼピン系薬剤)

ベンゾジアゼピン系薬剤のうち、ミダゾラム、フルニトラゼパム、ジアゼパムは内視鏡検査の鎮静剤として保険適応となっているタイプの薬剤です。また、2025年にはレミマゾラムも保険適応になり選択肢が増えました。拮抗薬(フルマゼニル)があるため、検査終了後、もしくは血圧低下や呼吸抑制などの望まれない反応が出た場合に拮抗薬フルマゼニルを投与することによって速やかに軽減解除させることができます。

ミダゾラム(商品名 ドルミカム)

当院の第一選択の鎮静剤です。ミダゾラムはその催眠作用、鎮静作用、抗不安作用、健忘作用があり、検査に対する患者の満足度も高くなることから大腸カメラ検査における最適なベンゾジアゼピン系薬剤とされており、当院でも第一選択として使用しています。速効性で作用持続時間(2~6 時間)も短いですが、拮抗薬フルマゼニルの持続時間より長いため再鎮静(一度目覚めたのにまた眠くなってしまうこと)があり、リカバリーからの離床や帰宅後に注意が必要です。

レミマゾラム(商品名 アネレム)

2025年に新規に保険適応になった薬剤です。ミダゾラムとの比較としては、レミマゾラムの半減期がミダゾラムより短いことです。ミダゾラムの作用時間より拮抗薬フルマゼニルの持続時間が短いことによる再鎮静(一度目覚めたのにまた眠くなってしまうこと)のリスクが軽減されることが期待できます。当院でも、レミマゾラムを採用開始し、患者満足度や検査後の目覚めなどをミダゾラムと比較検討していますが、目覚めのよい印象で引き続き継続使用していく方針です。

フルニトラゼパム(商品名サイレース)

ミダゾラムでは、十分に鎮静がかからない(眠くならない)患者様が少ないながら存在します。そのような経験のある患者様にはフルニトラゼパムを使用すると安定した鎮静が得られるため、当院で使用することがあります。

Ⅱ.オピオイド性鎮静薬(ペチジン)

オピオイド性鎮痛薬ペチジンは、強い鎮痛作用の他に、軽い鎮静作用、腸の緊張を和らげる鎮痙作用を持つ薬剤です。患者様によって、ミダゾラムなどのベンゾジアゼピン系鎮静薬だけでは苦痛を生じる場合があるため、検査開始前もしくは検査中にペチジンと併用して投与することがあります。また、ミダゾラムが使えない、または鎮静を希望されない(眠りたくない)が痛みはしっかり抑える目的でペチジン単独で使用する場合もあります。副作用としては血圧低下、悪心などが増える傾向にあり、全例に使用はしていません。拮抗薬はナロキソンです。

Ⅲ.静脈麻酔薬(プロポフォール)

プロポフォールは、ミダゾラムに比べ作用時間が短いため、検査後の目覚めやリカバリーからの離床時間が短いことが特徴で、内視鏡検査で使用しているクリニックも多いです。しかしながら、プロポフォールの最大の問題点は「鎮静と麻酔の幅が狭い」ことです。アメリカのスーパースター(M.J.)が不眠症治療目的で使用し死亡した原因薬剤もプロポフォールでした。加えて、プロポフォールには拮抗剤がなく、鎮静を通り越して麻酔状態に陥った場合には、拮抗剤を使って効果を打ち消すことができず、速やかに気道確保や気管挿管を行う必要があります。日本消化器内視鏡学会のガイドラインでは「鎮静深度に十分注意し適切なモニタリング下で使用されれば気道確保などの訓練を受けた医師によるプロポフォール使用は可能である」が、「保険収載の問題や安全性の面から日本では内視鏡の鎮静で用いられることは一般的ではない」と記述されています。それでも一部の内視鏡クリニックでプロポフォールが多用されているのは、リカバリースペースが十分に確保されていない環境下で患者の回転を速くする経営的側面が多いです。少なくともアルバイト医にプロポフォールを使用させるクリニックで内視鏡検査を受けるのは避けた方がよいでしょう。当院では、リカバリースペースが十分に確保されており、ベンゾジアゼピン系鎮静薬で安全かつ患者満足度の高い検査を可能としていますので、プロポフォールをあえて使用する理由はなく、通常使用していません。ただし、ベンゾジアゼピン系鎮静薬が使用できない場合、患者様と相談の上、使用する場合があります(当院院長は慶応義塾大学病院で内科救急医としても従事していましたので気道確保技術に問題なくプロポフォールも使用可能です)。

よくある質問

胃カメラと大腸カメラ検査を同時に受けることは可能ですか?

はい、可能です。当院の内視鏡室は十分なスペースが確保されていますので、患者さまが体位変換や移動する必要なく、胃カメラを施行した後、検査室内でベッドを回転させ、引き続き大腸カメラ検査を行います。2回に分けて検査を受ける必要が無いため体への負担も少ないです。

便潜血検査を受けていれば大腸カメラ検査は受けなくて大丈夫ですか?

便潜血反応はその名の通り、「眼では見えないような血液が便の中に混じっているか」を調べる検査です。簡単に受けられる検査なので、検多くの方の中で大腸がんを拾い上げることを目的とした検診には適しています。しかしながら、便潜血検査の陽性率は進行した大腸がんで60-75%、早期がんでは30-40%程度です。大腸癌の前段階の良性ポリープのうちに切除することが望ましいですから、便潜血検査を受けていても45歳以上で大腸カメラ検査を受けることをお勧めします。

便潜血検査で2回のうち1回だけ陽性でした。大腸カメラ検査は必要ですか?

便潜血検査の陽性率は進行した大腸がんで60-75%、早期がんでは30-40%程度です。このように便潜血反応には限界であり、2回検査をするのは大腸がんの検出感度を少しでも向上させるためです。1回でも陽性であれば、必ず大腸カメラ検査を受けていただくことをお勧めいたします。

事前診察の際に採血は必要ですか?

基本的に必要ありません。内視鏡クリニックによっては、いまだに「感染症のチェック」などを目的とした採血をしているクリニックがあるようですが、当院は高水準の内視鏡洗浄を行っておりますので、患者から患者への感染は起こりません。また患者様から医療従事者への予防も適切な方法(スタンダードプリコーション)で予防しています。

ただし、しばらく健康診断をうけていない方でサルプレップなどの腸管洗浄剤(下剤)を希望される方は腎機能検査をお願いする場合があります。無駄な検査費用を抑制する意味でも必要最小限で行います。

内服している薬やサプリメントがあります。

事前診察の際に、常用している薬、サプリメントを医師に申し出てください。特に抗血小板薬や抗凝固薬(血液をサラサラにする薬やサプリメント)を内服している場合は、休薬をお願いする場合があります。当院では日本消化器内視鏡学会の示す「抗血栓薬の服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン」に基づいて検査前の抗血栓薬の服薬方法を判断しております。場合によっては主治医・処方医に休薬の可否を判断していただく場合があります。休薬すべき薬の休薬が不可の場合、検査や処置などできる内容が制限されることもあります。

大腸カメラ検査はどの程度時間がかかりますか?

スコープの挿入時間にはやや個人差があるため若干の前後がありますが、大腸カメラ検査の検査時間は10-20分、ポリープ切除した場合でも10~30分程度です。また、静脈麻酔を使用した場合には、検査後30~60分程度リカバリースペースでお休みいただき医師の説明後にご帰宅していただきます。

『下剤を飲まない大腸カメラ検査』は可能ですか?

『下剤を飲まない大腸カメラ検査』とは、モビプレップなどの腸管洗浄剤(下剤)を胃カメラの先端から十二指腸に直接注入することで下剤を内服しないで済む方法です。下剤を飲むことは誰にとっても楽なことではありませんので聞こえは良いかもしれませんが、実は危険な方法です。下剤は腸管内圧を上昇させるため、時間をかけて内服することがとても大切です。適切に内服したとしても、進行した大腸癌があった場合は腸管洗浄剤による腸破裂のリスクがあります。そのような下剤を数分で腸に流し込むことは危険と考えます。胃カメラで注入する方法以外にも鼻にチューブを挿入し下剤を流し込む方法を採用しているクリニックもあるようですが、経鼻チューブもX線透視を使って確実に十二指腸に挿入しないと、胃内に大量の下剤が入り嘔吐、誤嚥のリスクが増えます。私個人的には、このような方法で『楽な方法ですよ』と宣伝している内視鏡クリニックは敬遠すべきだと考えます。進行癌が疑われるなど医学的な理由で下剤を飲めない方は浣腸などの方法で行っています。当院は患者様の安全を最優先に考えています。

大腸検査前日に大腸検査食(レトルト食品)を食べる必要はありますか?

事前診察の際に説明させていただく「前日の食事の注意」を守っていただければ、検査食(レトルト食品)は、基本的には不要です。普段から強い便秘がある方や、以前大腸カメラ検査の前処置でなかなかクリアにならず下剤の量が多くなってしまった方などにご案内させていただくことがあります。レトルト食品の方が気をつかわず安心という方には、当院で販売しております。当院で販売している江崎グリコの「エニマクリン」は、腸内に残りやすい食物繊維や脂肪分を取り除き、消化の良さを最優先に考えた専用の検査食です。

https://www.glico.com/jp/product/food_curry/kensasyoku/

ご希望の方はオンライン診療または事前診察の際にお申し出ください。

検査後に生活の制限はありますか?

鎮静剤を使用した場合は検査当日に自転車を含む運転は避けていただきます。

大腸ポリープ切除を行った場合は、切除の程度により数日~2週間程度、飲酒や激しい運動を避けていただきます。また、遠方への旅行や出張の予定のある方は事前診察の際に申し出ください。

生理中でも検査はできますか?

検査に支障はございません。

妊娠中、授乳中に大腸カメラ検査はできますか?

妊娠中は検査をお受けできません。授乳中では、大腸検査は可能です。ただし、授乳中の方で鎮静剤を使用する場合、検査後24時間は授乳ができません。